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せんそういがくのおじょくにふれて
戦争医学の汚辱にふれて
平光 吾一
線上閱讀平光 吾一《戦争医学の汚辱にふれて(せんそういがくのおじょくにふれて)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,206 字 · 24 頁
「世紀の手術」の目的
また血漿の代りに塩水の注射が可能かどうかの実験も一回行われた」と述べている。
さらに、解剖学助教授だった田中克己氏の口供書によれば、「第一回の手術は、二十三才位の背の高い赤毛の捕虜一名に対して行われた。彼はエーテル麻酔をかけられた時、治療されるものと信じ、執刀する石山教授に『ありがとう』と礼をいっていた。が、肺臓切開が約三十分行われて、死亡した。私は標本が欲しかったので、腸、肝臓などを切り取った。第二回は三人だった。第三回は二人、四回目も二人で、計八名が手術解剖された。また捕虜のうち一名は塩水注射で死亡したということだ。」と語っている。
この他、生体解剖現場を目撃した数多くの立会人の証言を私は法廷で聞かされたが、大体以上のような手術、実験以外のものは行われなかったことを知った。
「世紀の手術」の目的
この結果、私は石山教授の「手術」が恐らく二つの目的から行われたのではなかろうか、と考えた。一つは軍陣医学を進めるためのものであり、他の一つは在来の外科医学では研究未到達な面を解明することにおいたということである。
血漿の代りに塩水の注射が可能かどうかとの実験を行ったということだが、これは戦争医学にどうしても欠くことの出来ない要請なのである。