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せいじがくにゅうもん

政治学入門

矢部 貞治

線上閱讀矢部 貞治《政治学入門(せいじがくにゅうもん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 49,607 字 · 96 頁

青空文庫

総計で作り出されるような社会の原理でもない。それはむしろ個別や分化や対立はありながら、しかも一体的な共同生活が不可欠な前提である社会で、その分化や対立を立体的に公の一体にまで統合する原理なのである。ここでは一体的な意思と秩序の必要なことが初めから前提されているのだが、その内容は、成員の意思と人格の参与を通じて、統合的に決定されるのである。このような「多数決」と「代表」の原理を中心にして成立する政治形態が、正に「民主政」なのである。

このような社会的基礎では、分化や対立があっても、それは共同体的な土台の上での分化や対立である。それを忘れてただ分化と対立の側面だけを重視し、一体的な共同生活の側面を無視すると、それが無政府主義に堕することであり、反対に、社会の中に現に存在している分化や対立を無視し、勝手に団体の意思を専断的に決めて、それを権力で成員に押しつけるなら、それがすなわち専制主義に陥ることにほかならない。無政府主義も専制主義も、このような社会では永く存在することはできぬ。ここでは民主主義こそ最も妥当な原理である。一般に近代国家は、このような協成社会的な基礎の上に立っており、そこに近代国家の政治形態として民主政が妥当する理由もあるのである。