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せいじがくにゅうもん

政治学入門

矢部 貞治

線上閱讀矢部 貞治《政治学入門(せいじがくにゅうもん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 49,607 字 · 96 頁

青空文庫

2 政治制度の相対性

2 政治制度の相対性

政治の原理や制度は、社会的基礎を離れて抽象的に論じ得ないこと、右に説くごとくであるが、さらに心に留めておかねばならぬのは、どんな政治制度でも絶対万能で完全無欠なものなどは、存在し得ないということである。

既に述べたように、政治の中には複雑で背反する人間の性情が含まれている。政治が、パスカルのいう「天使でもなく野獣でもない」人間の現象であり、ゲーテのいうように、「天よりは最も美しい星を求め、地よりは最も大なる快楽を求める」ところの人間性の反映である以上、それは当然のことである。ただ欲望と本能だけで行動する人間も少ないであろうが、ただ理性と良心のみで行動する人間もないであろう。従ってこのような人間の多数が集って営んでいる政治が、一つや二つの純粋理念で成立するということはあり得ず、政治はむしろ理想と現実、進歩と保守、連帯と闘争、個人性と社会性、遠心力と求心力、パトスとロゴスというような、あらゆる二元的な要素の結合にほかならない。この故に政治の「理」は、一つや二つの純粋理念で、形式論理的に筋が通っているということにあるのではなく、相反する人間の性情を調和させ、人間の感情も、本能も、弱さも、不完全さも含めた上での「道理」