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しん・へいけものがたり

新・平家物語

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新・平家物語(しん・へいけものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 123,012 字 · 245 頁

青空文庫

ちょうど、貴さまも、あたまの中に、聖賢障子を画いているようなものだ。

――くだらぬぞ、弟。

わが家は、公卿ではない。公卿に食わせられている武者だ。公卿が、院宣をうけて、おれたちに命じれば、おれたちは、たちどころに、憎めない相手でも、敵に取って、矢を弦にかけなければならない門に飼われている身ではないか。

『よせやい。いいかげんに』

清盛は、さっきから、妻戸の口で、両足を、縁さきへほうり出し、上半身だけ室内に入れて、仰向けに寝ころんでいた。

そして、まだ秋の蚊うなりもする、うすぐらいすみの壁代を横に、他念ない経盛の、机の姿へ向かって、さんざん、腹のムシャクシャを、腹の中だけで、たたきつけていたのだった。

理由は、父も寝、家人たちもみな寝たのに、ひとりこの経盛がいつまでも寝ないからである。――といって、誘っても、一しょに夜遊びに出るやつではなし、むりに寝ろといえば、むくれるにきまっている。小さなくせに、邪魔な存在でならない。この性分の差は、やはり、母はひとつでも、父の血がちがうせいだろうか。

――などと、思うまいとする思いが、雨漏りみたいに、胸にシミ出すと、かれは、父へのおそれも、弟への気がねも、今は、何ものでもなく、