輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しん・へいけものがたり

新・平家物語

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新・平家物語(しん・へいけものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 123,012 字 · 245 頁

青空文庫

こよいは、当然、院のお庭で、一統に、御酒も賜わるべきを、この忠盛に、不つつかがあったため、御門へすら、入ることなく、かくは引き揚げてしもうたわけ。――忠盛の不徳は、そちたちへ、こう詫びるぞ。いつかは、みなの骨折りにも、きっと酬ゆる日もあろう。今はあるかぎりの酒、忠盛の謝り酒ぞや。夜を更かすとも苦しゅうない。思うがまま、飲み歌うて、卑屈にならぬ武者胆を、養うてくれい』

『…………』しばらくは、声なく、みな首をたれていた。

およそ、宮苑や公卿の第宅では、管絃の音と歓酔のない夜はなかったが、地下人のまた下僕たるこれらの人びとの中では、酒に会うことなど、まれであった。行儀は、粛と、構えているが、匂いにすら、腸が、鳴くのである。

それへの自然な欲望と、忠盛のしみじみという労りとに、郎党たちの感情は、瞼に熱いものをもった。泣いて飲む酒もまた味がふかい――とするように、そよと、晩秋の夜気が、燭をまたたかせた。

『あれ見よ。貧乏でよいものは、庭面の風情だけだ。生うるがままな秋草の丈は、なんと、われらの風流にふさわしいではないか。さあ、飲もう、みなも、酌み合え、酌み合え』