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しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新・平家物語(しん・へいけものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 123,012 字 · 245 頁
だが、凡下の興は、実質である。博奕としてしかこれを見ない。闘う鶏のながす血に、自分にとっても血以上の、銭をかけて、かたずをのむのだ。
たたかい合い、さけびあい、双鶏の爪、くちばしに、阿修羅の舞を見るがごときとき――ばくちの魔魅に憑かれた人間たちこそ、鶏以上にも凄愴な殺気を面にみなぎらせてくる。
わが子は二十歳になりぬらん
ばくちしてこそ、ありくなれ
国々の、博徒に。
さすが子なれば憎かなし
守らせたまへ
王子の住吉、西の宮。
「このごろ都に流行るもの」という俗歌のうちの一節である。ガニ打ち、すご六、鶏合わせなどと、博奕ばやりは、上下を通じての時風であった。――市人の闘鶏に熱するや、かならず戦乱あり、などといって、やかましく凶兆を説く陰陽師もあるが、堂上ですらしていることなので、検非違使の取り締りも、ききめはない。――いや、その検非違使庁のうちでも、おりおり、鶏の蹴合う叫びを聞くといううわさすらあるちまただった。
『……いいかい。おじさん』
小冠者は、気負う鶏を抱えながら、相手の鶏と、距離をとって、しゃがみこんだ。
『まてまて。まだ、周りの人が、賭けていらあ。あせるな、小冠者』