輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しん・へいけものがたり

新・平家物語

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新・平家物語(しん・へいけものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 123,012 字 · 245 頁

青空文庫

ひとり水をくみ、薪を割り、ふと、歌の一つも詠み出ようとすれば、谷のこずえも、雙林寺の松も、あとにのこして来た若い妻が、嘆く声にも似ていて、蕭々とふき渡る風が、にわかに耳について寝られなくなるのである。

さらに、縁につながる、幾多の生木を、みずから裂いて来た科として、自分の心も、のべつ、引き裂かれずには措かれない。

この悩みと、この哀れとは、生涯、離れうることはないであろう。だが、哀れをこそ、わが生涯の道づれにと、西行は、じっと、抱きしめている。紛らそうの、忘れようなどとは、していない。

聞説。

武者盛遠の文覚は――人間の子の必然に、与えられた煩悩と苦悩を、那智の滝に、洗い去ろうとするものらしい。そして、まったく、べつな自己を、滝つぼの底から、生み直して出ようとするもののように思われる。

(それは尊い追究だ。かれのえらんだ道も、誤りではない。だが、自分の道とは、まったくちがう。同じ、人間の悩みから、出離をこころざしたものではあるが……やはり盛遠の道は、盛遠の道。自分の道は、自分だけの、ひとりの道……)

西行は、灰の上に、あわれ、あわれ、といくつも書いた。