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しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新・平家物語(しん・へいけものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 123,012 字 · 245 頁
きょうの競馬では、あきらかに、その対立が番組の興味だが、もひとつ、ふかいところに、何かがある。おおいがたい対立が秘せられている。
天皇と、上皇とのお心のうちにである。
こう御座をならべてお在しながら、父上皇と子の天皇のおん仲は、なんとなく、冷やかに仰がれた。めったに、ことばもお交わしにならない。よそよそしく、しらじらしく、二つの政府の象徴が並んでいるだけにしか思えなかった。
ことは、ときをさかのぼるし、余りに、宮中閨門の秘を語って、いたずらな奇を好むには似るが――ここに語らざるを得ない不幸な事実があった。
鳥羽、崇徳の父子のおん仲にわだかまっているある冷やかな感情こそは、すでに久しいものである。それはやがて、保元、平治の大乱をよび起こしたものだった。ひいては、庶民生活に、長い戦禍のくるしみを与えたのみか、崇徳、崩ずるまでの、惨として、鬼気、読史の眼をおおわしめるような生涯の御宿命をも、すでに、このときに約していたものであるから、語るを避けるわけにもゆかない。
崇徳、おん名は顕仁、鳥羽天皇の第一皇子として生まれ、おん母は、大納言公実のむすめ、藤原璋子と申される。