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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《新宝島(しんたからじま)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 頁
「へんだなあ。オイ、ポパイ、お前どんな奴に出くわしたんだい?」
一郎君がそういって、犬の方へ近づいて行きますと、ポパイはしきりに尻尾をふって、一郎君をふり返りながら、なぜか又、しげみの中へ引きかえして行きそうにするのです。
「ア、そうだ。君、ポパイが勝ったんだよ。相手の奴をやっつけたんだよ。でなけりゃ、こんなに尻尾をふって、おちついているわけがないよ」
保君が息をはずませていいました。保君はお家に犬を飼っていただけに、そういうことは、ほかの二人よりも早くわかるのです。
「ウン、そうかも知れないね。じゃ、こいつのあとからついて行ってみようか」
一郎君が、保君と哲雄君を見くらべるようにしていいました。三人ともまだ何となく怖いような気持が残っていましたが、でも勇気を出して、ポパイのあとをつけて見ることにしました。
見なれない色々な木のまじったしげみを分けて、道もなにもないところを進むのですから、人間には、とても犬のように早くは歩けません。木の枝で顔や手を傷つけられながら、ポパイを見うしなわないように、夢中になって進んで行きますと、やがて、木立がまばらになって、歯朶類が一面にはえしげっている場所に出ました。