輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 197,228 字 · 394 頁

青空文庫

「城中兵糧は、もういくらもないぞ。いたずらに、力攻めして兵を損傷するには当らん」

十三日の総攻撃以後、寄手は求めて血みどろになることを熄めてしまった。城を繞る滝川と大野川一帯の河中に、杭を打ちこみ、大綱を張りまわし、岸にはすべて柵を結って、孤城長篠を、文字どおり、蟻の這い出るすきもないほど、完封してしまった。

「……なに、もう兵糧は、四、五日分しかない? それ以上、持ち耐える糧食は、何物もないのか。何物も」

奥平三九郎貞昌は、今日、あらためてまた、その窮迫を訴えに出た粮米方の武士を前にして、幾度も念を押した。

兵糧奉行は、沈痛な面に、はや節食も、補給の策も、ここに立ち至っては――といわぬばかりな絶望を示して、

「ございません。――何物もございません」

と、明言した。

だが貞昌は、その言葉を、そのままに受けきれなかった。城中五百の生命を、もう四、五日限りと断じてしまうと同じだからである。

「実地に見せい。――一応、穀倉を見たうえで」

彼は、自身、検分に廻った。

城中、隈なく歩いたところで、方六町しかない小城である。結果は、三九郎貞昌に、より以上、絶対的な覚悟を与えただけである。