輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 176,911 字 · 353 頁
といった。けれどその仏頂顔は、心からのものとは見えない。むしろその中には非常な愛嬌すらふくんでいた。せっかくの勉強を客に邪魔された不平はあるが、その不平と客へのあいそとを、巧みに、軽いおかし味として、しかも、あどけなく、表現しているものに見える。
「ははは。何しろ手前が悪かった。於通どの、堪忍してくれい」
「いえ、しません」
「なに、堪忍せぬ。これは困った。あやまる」
「そんなにあやまるならゆるしてあげましょう。女性の所とて、これからそのような失礼はなさらぬように遊ばせや。もしこれが男と男とのいる席でしたら、あなたは無礼打ちにされてもしかたがないところでしょ」
「おそれ入った。いや、なるほど、変っている御息女ではあるなあ。……ふうん」
と、友松はその姿へながめ入った。前からもこの辺の山家娘とはおもっていなかった。しかし今ふと、清麗たとえようもなく友松には見えた。源氏の君をめぐるあまたの女性の中にも類型のない新鮮な感覚と知性をこの乙女に見て、彼は、
(これは、すぐれた造化の花だ。しかしあどけないどころかよ、花にしても、叡智の結晶のような花――)
と、心のうちでおどろいた。