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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 190,406 字 · 381 頁
「つゆの命を、千々年と……」
「名を惜しみ、世を惜しみ」
「戦わば……」
「おくれはせじ」
「守りなば……」
「ゆずりはせじ」
「三年、十年……」
「おろか、百年も」
「戦は常世、常世は戦……」
「たゆみはあらじ」
「さらば、一夜は……」
「踊らばや」
「国守の地鎮めに……」
「足踏みならし」
「国軍、弥征く祷に……」
「諸声諸声、弥挙げて」
「鎧う籠手ども……」
「草刈る手ども」
「ひとつ環なりに……」
「月と共に」
「天地の幸、唱えや」
「花とちる身も」
信長がそこで、調子高く、
「死のうは一定……」
と、つけると、勝三郎も藤吉郎も、笑い出して、
「いけません。殿のお口癖が出ました」
と、止めてしまった。そしていつか三名は、祭の巷に立ち交じっていた。
城下の市坊は、碁盤目になっていた。須賀口から五条川の通りはわけて賑わって、幾組も踊りの輪が踊りながら歩いていた。
花笠をかぶった娘も、尖り笠の若者も、夜露頭巾の武家も、素のままな老人も、童も、百姓町人も、僧侶も、ひとつ輪になり、ひとつ手振りを揃えて、唄っていた。
思い出すとは
忘るるか
思い出さずよ
忘れねば
藻町の辻の空地の向うから、大きな月がさしのぼっていた。