輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 190,406 字 · 381 頁

青空文庫

大府、横根のあたりは、どんな様子か。清洲から人数を増して来たようかな」

「左様なことは、ここではいえん。――おいッ、気をつけろ、荷駄馬が一頭、手綱を解いて往来へ外れたぞ」

甚七は、先を急いでいく。

歩いても歩いても、両側の並木から民家の廂まで、馬馬馬馬で埋まっていた。

宿端れや問屋場の附近は、なおさらであった。ここでは穀類や乾菜や、塩、味噌、粉、干魚、鰹節などの俵と籠と袋で幾つも山ができていた。

近郷から運輸してくるのは皆、農夫や人夫であったが、荷駄に積みこんでいるのはみな兵であった。具足や鎧や、顔までも、白い米の粉にまみれている隊将の姿などもあった。わき眼もふらぬ将士が、そうしてがやがや労働している中で、馬は悠々と、あちこちで尿をしていた。

御陣所

と、曲り道の畦に、木札が立ててあった。畦のつき当りに丘の寺が見えた。甚七が、不用意に、すぐ曲りかけると、

「ならん!」

稲むらの蔭から番兵の槍が二本も出て来た。――が、甚七の顔を見ると、

「あ。どうも」

槍を引いて、目礼した。甚七は畦をかなり早い脚で渡った。

寺は、本陣となっていた。小さな禅刹である。ここには、乾物や馬の尿のにおいもしなかった。