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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 190,406 字 · 381 頁

青空文庫

はははは」

と、右近は、周りにいる棟梁や下役たちを顧みて、自分の大きなところも見せるつもりか、笑い捨てて、藤吉郎へ後ろを向けた。

大工棟梁や左官棟梁は、それで事はすんだものと思い、奉行の床几を囲んで、再び工事の絵図面などをひろげていた。

「…………」

だが、藤吉郎は、動かないのであった。右近の背を睨めつけたまま、去ろうともしないのだ。

奉行の下役達が、

「木下氏。もうよい」

「お叱りは、それだけだ。以後、気をつけさえすればいい」

「さ。帰れ」

宥めたり、連れ去ろうとしたが、藤吉郎は耳もかさない顔して、奉行の背中と、棟梁どもの評議とを、睨むように見ていた。

「…………」

そうしているまに、彼の若い気性と、その若い血のなかに持っている理性とが、頭のなかで、彼の哄笑を抑しきれない泡つぶでも立てたように、突然、藤吉郎は、ばかばかしく大きな声で笑いだした。

評議中の棟梁や、下役人たちは、びっくりして図面から顔を上げた。

床几に倚っていた奉行の山淵右近も、きっと、後ろを見て、

「何を笑う!」

と怒った。

藤吉郎は、なお笑って、

「おかしいから笑うのだ」

いうと、

「無礼なことを――」