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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 190,406 字 · 381 頁

青空文庫

――組には、大工三名、左官二名、石工その他五名、合わせて十名をもって組織する。職方の配置、頭数の振りあては、持場によってちがうゆえ、それは各組の頭と棟梁の按配にまかせおく。――棟梁どもは、一人で約四組から五組の督励に当り、組の仕事を指揮し、職人たちに手すきなきよう、絶えず人数の配りに気をつけ――職方の余裕あるところの者は、すぐ手不足の部署に移し、寸分、息もつく間があってはならぬ」

「へーい」

ともすれば、彼らは、不穏な色を示した。そういう講釈も癪だし、坪割のいいつけにも不平なのである。

「あ。――云い忘れた」

藤吉郎は、語気を昂げて、

「今申した、二間一組の十名の割当てのほかに、一組に対し、人夫八名、職人二名ずつ――これは遊軍として、附けおくであろう。今日までの仕事ぶりを見るに、左官その他の職人どもは、ともすれば、足場を離れ、自分の仕事にあらぬ、材料の持ち運びやら、雑用などに日を暮しておるが、職人が職場に向うは、戦士が敵へ対した時と同じである。部署を離れてはならぬ。大工は大工の――左官は左官の――石工は石工の、道具を手から措くな。戦場で、槍や太刀を、手より離すのと同じであるぞ」