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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 190,406 字 · 381 頁
(何事か?)
と、自分を振り向いたと意識すると、彼はにわかに、仲間の者を押しわけて、藤吉郎の前へすすみ、
「申し訳ございません。自分の馬鹿や浅慮がよく分りました。どうか手前を、見せしめのため、お縄にかけて、一刻もはやく、お国のため、工事をおいそぎ下さいまし。……まったく悪うございました。手前の考え違いでございました」
大地へ、顔をうつ伏せたままじゃんかの棟梁は、身をふるわしていうのだった。
「……?」
藤吉郎は、初めのうち、ちょっと呆っけにとられた顔をしていたが、ははアと何かうなずくと、図ぼしを指すようにいった。
「うム。……山淵右近に云いふくめられたな。そうであろうが」
「木下様には、それをご存じでございましたか」
「知らいでどうするものか。――山淵右近は、おぬしへも、他の者へも、わしの招きには行くなといったであろう」
「へい……」
「そしてまた、出来得るかぎり、御工事の場所では怠け、わざと仕事を遅滞させ、藤吉郎の命に反けといっただろう」
「は……。はい」
「それくらいなことは、あの男にはある筈の理があるのだ。おぬしらも、ヘタをすれば、首の座に並ぶところじゃったよ。