輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 180,256 字 · 361 頁

青空文庫

日吉は、薦僧をおいて、一人で駈けて行った。

しばらく、様子を見ていると、小六が汗の顔を拭きながら、休息所の小屋へ、湯を飲みに来た。

「お湯ですか、お頭目」

日吉は、すぐ湯を汲んで、熱くない程に、水を割って加減し、盆に乗せて、小六の床几の前に跪いた。

「汝も見ていたか」

「はい」

答えながら寄って、

「美濃家の密使を案内して参りました。連れて来ますか。お頭目からお運びになりますか。密使は、森の蔭に待たせておきましたが」

と、早口に告げた。

「なに。美濃から……?」

斎藤家の密使と聞くと、小六はもう、多言を待たず、床几から立って、

「猿」

「はい」

「案内せい」

「ここへですか」

「いや、おれの方から出向く。どこへ待たせておいた」

「森の向うがわに」

指さしながら、日吉は先に立って歩いた。

美濃の斎藤家と蜂須賀とは、公な関係ではないが、かなり長年の間、一つの密盟を結んでいた。

美濃に事ある時は、蜂須賀から手を貸して援け、蜂須賀に事あらば、美濃の勢力が後から援護しよう。

また、経済的には、年ごとに二百貫の領を、美濃から貢ぐ。

そういう条約だった。

織田信秀や、三河の松平や、駿府の今川家などの、勃興勢力のなかに挟まれて、ぽつねんと、島のような存在でありながら、そのどれからも併呑をまぬがれて、蜂須賀党が蜂須賀党として、土豪ながらも四隣