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ふたりのとも
新潮日本文学1 森鴎外集
線上閱讀森 鴎外《新潮日本文学1 森鴎外集(ふたりのとも)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 13,954 字 · 29 頁
F君と私との距離を縮めた、主な原因は私が君の「童貞」を発見した処に存ずる。君が殆ど異性に関する知識を有せぬことを発見した処に存ずる。これは或は私の見錯りであったかも知れない。しかし私は今でも君に欺かれたとは信ぜない。
私はF君に秘密が無かったとは思わない。又君がを衝かなかったとは思わない。しかし君は故らに構えて※(「言+墟のつくり」、第4水準2-88-74)を衝く人ではなかったらしい。※(「言+墟のつくり」、第4水準2-88-74)のために詞を設ける程の面倒をせぬ人であったらしい。私と対座して構えて※(「言+墟のつくり」、第4水準2-88-74)を衝いて見るが好い。私はすぐに強烈な反感を起す。これは私の本能である。私はこの本能があるので、余り多く人に欺かれない。多数の人を陥れた詐偽師を、私が一見して看破したことは度々ある。
これに反して義務心の闕けた人、amoral な人、世間で当にならぬと云う人でも、私と対座して赤裸々に意志を発表すれば、私は愉快を感ずる。私は年久しくそう云う人と相忤わずに往来したことがある。
さて私は前にも云った通りに、最初から徼幸者を以てF君を待った。