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ふたりのとも

新潮日本文学1 森鴎外集

森 鴎外

線上閱讀森 鴎外《新潮日本文学1 森鴎外集(ふたりのとも)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 13,954 字 · 29 頁

青空文庫

しかし君の対話は少しも私に反感を起させたことが無い。君の言語は衝動的である。君の胸臆は明白に私の前に展開せられて時としては無遠慮を極めることがある。Verblueffend に真実を説くことがある。私はいつもそれを甘んじ受けて、却って面白く感じた。

殆ど毎日逢って、時としては終日一しょにいることさえあるので、F君と私との話はドイツ語の事や哲学の事には限らぬようになった。或る日私は君にこう云う事を言った。私はこの土地で役をしていて多くの人に知られている。その人達がもうF君をも知って来た。そして二人を兄弟だと云うそうである。本通の雑貨店徳見に往ったら、「弟御さんも店へお出になりました」と、主人が云った。誰の事かと思って問えば、君の事である。同国ではあるが、親類ではないと、私は答えた。主人は不審に思うらしい様子で、「へえ、あんなに好く肖てお出になって」と云った。私は君に似ているだろうか、君はどう思うと云って、F君を見た。

F君がその時、それは他人の空似と云うことが随分有るものと見えると云って、こういう話をした。君が尾の道に泊った晩の事である。中庭を囲んだ二階の一方にある座敷に、君は入れられた。