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ほしのくんのにるいだ

新版・星野くんの二塁打

吉田 甲子太郎

線上閱讀吉田 甲子太郎《新版・星野くんの二塁打(ほしのくんのにるいだ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 10,945 字 · 22 頁

青空文庫

キャプテンの喜多は、いつものとおりに、打撃の練習をはじめるものと思って、バットを取りにいった。別府さんは、喜多からバットを受け取ると、

「みんな、きょうは、少し話があるんだ。こっちへきてくれないか。」

といって、大きなカシの木かげにいって、あぐらをかいた。

選手たちは、別府さんのほうを向き、半円をえがいて、あぐらをかいた。

「みんな、きのうは、よくやってくれたね。おかげで、Rクラブは待望の選手権大会に出場できることになった。おたがいに喜んでいいと思う。ところで、きのうのみんなの善戦にたいして、心からの祝辞をのべたいのだが、ぼくには、どうも、それができないのだ。」

補欠も入れて十五人の選手たちの目は、じっと別府さんの顔を見つめている。別府さんの、おもおもしい口調のそこに、何かよういならないものがあることを、だれもがはっきり感じたからである。

別府さんは、ひざの上に横たえたバットを、両手でゆっくりまわしていたが、それをとめて、静かにことばを続けた。

「ぼくが、監督に就任するときに、きみたちに話したことばを、みんなはおぼえてくれているだろうな。ぼくは、きみたちがぼくを監督としてむかえることに賛成なら、就任してもいい。