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いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (下)(いちかわくめはち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 138,172 字 · 277 頁
錦子が動かされたのも無理はないほど、美妙斎の「蝴蝶」は、発表された当時も世評が高かったのだ。そのころ仲たがいをしていた尾崎紅葉さえ、宛名を、蝴蝶殿へとした公開状で、
かくすべき雪の肌をあらはしてまことにどうも須磨の浦風
と、一首ものしたように、それには挿絵に、渡辺省亭の日本画の裸体が、類のないことだったので、アッといわせもしたのだった。
河井酔茗氏の『山田美妙評伝』によると、美妙斎は東京神田柳町に生れ、十歳の時には芝の烏森校から、巴小学校に移り、神童の称があったという。十三歳に府立二中に入学したが、学科はそっちのけで、『太平記』や、『平家物語』をはじめ、江戸時代の草双紙の中では馬琴に私淑したとある。芝に生れた尾崎紅葉とは、二中の時おなじ学校で、紅葉が三田英学校から大学予備門にはいると、二級の時に美妙斎が四級にはいり、旧交があたためられて、二人は文学で立とうという決心をあかし合い、しかも、芝からでは遠いというので、美妙斎の家は、学校に近い駿河台に引越して、紅葉も寄宿し、八畳の室に、二人が机を並べ、そのうちに、おなじ予備門の学生石橋思案も同居し、文壇を風靡した硯友社はその三人に、丸岡九華氏が加わって創立され、『我楽多文庫』