輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

いちかわくめはち

新編 近代美人伝 (下)

長谷川 時雨

線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (下)(いちかわくめはち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 138,172 字 · 277 頁

青空文庫

いなくてはならないのに、この書では、結婚の日が初対面と記されてある。この初対面という方に従ってゆくと、これはまた、あれほど大切にしたお姫さんを、なんと手軽にあつかったものだか――もとより何もかも、知りすぎる位にわかってる方が進めてゆくのだから、誰にも安心はあったであろうが、いやしくも人生の最大事業をおこなう男女当事者が初対面とは――無智蒙昧な親に、売られてゆく、あわれな娘ならば知らず、一万円持参で、あの才色絶美、京都では、本願寺からはなすのはいやだと騒がれた美女なのに――

籌子夫人は幾度か上京し、仕度万端、みな籌子夫人の指図だった。

も一度。

緋の房の襖はかたく閉ざされて今日も寂しく物おもへとや

三夜荘父がいましし春の日は花もわが身も幸おほかりし

緋の房の襖の向うは、彼女の胸の隠家でなくてなんであろう。

結婚式をあげに東京へ出発、馬車のうちにはうなだれがちに、武子さんがいた。本願寺の正門から、七条の駅へ――けれども、御婚儀の日が、初対面の日なのでした。――昨日までの武子姫は、良致男爵……その人について、何も御存じがないのでした。男爵においても、それは同じく、新夫人の性格そのほか、更に御承知はないのでした。