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くうきぽんぷ

新美南吉童話集 2 おじいさんのランプ

新美 南吉

線上閱讀新美 南吉《新美南吉童話集 2 おじいさんのランプ(くうきぽんぷ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 41,209 字 · 85 頁

青空文庫

三

であった。

赤ん坊を、八つぐらいの男の子どもがあやしていた。あやす玩具は何かといえば、すりきれて、もう使えなくなったほうきであった。その男の子どもが大作君の弟の四郎であった。

これはもう、申し分のない貧乏な景色であるように大作君には思えた。やれやれ、自分の家はこんなんだったのか。

大作君はげんなりと力もぬけて、物置小屋の壁にもたれていた。

三

大作君は、あることはわすれてしまい、あることは憶えている。憶えていることは、たびたびおもい出す機会があるので、ますます心に刻みこまれていく。

自分の家は貧乏だ、ということは、大作君の心からいつまでも消えてゆかなかった。

ある日の昼休みの時間に、大作君は鉄棒をしていた。尻上がりでうまくくるりとまわって、体をくの字型に鉄棒にかけて、さて向こうをみたとき、大作君の眼は、ちょうど校舎の屋根の上にいる人かげにとまった。

その人かげは小さくて、顔などははっきりみえなかったけれども、大作君のお父さんであることは、大作君にはすぐわかった。お父さんの職業というのが、屋根職人であったからだ。今日は校舎の屋根の、こわれた瓦をとりかえにきたのに相違ない。