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くうきぽんぷ
新美南吉童話集 2 おじいさんのランプ
線上閱讀新美 南吉《新美南吉童話集 2 おじいさんのランプ(くうきぽんぷ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 41,209 字 · 85 頁
大作君たちはトップではなかったが、そうとう前の方に走っているつもりであった。
かけ声の「ヨイショ」と足とがよくそろって、調子は上々であった。練習のときなら、ひょうきんな兵太郎君がこのあたりで「コラショイ」と突拍子な声をあげたり「アリャリャン」「スチャラカ、ポンポン」などとでたらめをいったりしてにぎわすのだが、今日はやはりほんとうの競走だからまじめになっているのか、それとも、ゆうべアイスキャンデーを七本たべて今朝はちょっと腹工合がわるいといっていたから、そのせいなのか、どちらか知らないが、ともかく変な声は立てなかった。
稲荷さんの門前に立っている赤旗をまわってひきかえすのであったが、そこにいき着くまでに大作君たちは三つの組を追いぬき、赤旗のところでもみあって、また二組ぬいた。しかしそのじぶんには、みんなの呼吸がだいぶん苦しそうになっていた。かけ声の「ヨイショ」もはじめのような元気な響きを失って、うめき声のようになった。中にはもうそれに声を合わせないで、だまって走っている者もあった。だまっている者は、きっと横腹のいたむのや胸の苦しいのをじっとこらえているのだ、と大作君は思った。