輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
にほんのび
日本の美
中井 正一
線上閱讀中井 正一《日本の美(にほんのび)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 96,126 字 · 187 頁
むしろ、責めるべきことは、人生の中にひそむ、また人間の中にひそむ、あるいはまた自分の中にひそむ、愚劣さに驚嘆し、ある意味においては、ほとほと笑いだし、握る力も、技も抜け去った世界から、出発するという、絶望のこころが、うたいだす芸術ともいえるのであります。この中世の日本の芸術は、かかる意味における、脱落よりさらに脱落を志す魂がみなぎっているのでありますけれども、あまりにも、時代自身が愚劣であり、歌を選ぶ方法も、貴族官僚の中にとじこめられていましたから、輝かしき歌は実に僅かであり、星のごとく稀にその中に輝いてはいるけれど、しかしそれは決して亡びることのない光であり、永遠に人の心を鼓舞するところの光茫を放っております。
能の世界でいうところの「幽玄」あるいは「わび」も、世阿弥が導きだしたところのものであり、彼の「凍み氷りて、静かに美しく」といっている世界は、やはりかかるきびしい精神をいうのであります。彼が、将軍から勘当されて、ただ一人、佐渡の島に流され、佐渡の島に起った多くの戦乱と戦火を逃れつつ、転々と、その廬をかえながら、その廬でただ一人、扇をかざして、舞の工夫をしていたというのであります。