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あねがわのかっせん
日本合戦譚
菊池 寛
線上閱讀菊池 寛《日本合戦譚(あねがわのかっせん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 154,771 字 · 313 頁
茲に至って行長等明の為に欺かれた事を知ったが既におそかった。
正月五日には、平壌の城北牡丹台、七星門方面は右脇大将張世爵以下の一万三千が、城西普通門方面は左脇大将楊元以下一万一千が、城南含毬門方面は中脇大将李如柏、朝鮮の武将李鎰以下一万八千が、来襲した。東は大同江だから完全な包囲攻撃である。平壌に籠る日本軍は、一万一千、夜襲を屡々試みたが成功するに至らなかった。七日午前八時如松は総攻撃を命令した。明軍の大将軍砲、仏郎機砲、霹靂砲、子母砲、火箭等、城門を射撃する爆発の音は絶間もなく、焔烟は城内に満ちる有様であった。日本軍は壁に拠って突喊して来る明軍に鳥銃をあびせる。明軍死する者多いが、さすがに屈せず屍を踏んで城壁を攀じる。日本軍刀槍を揮って防戦に努めるけれども、衆寡敵せず内城に退いた。李如松楊元等は普通門より、李如柏は合毬門より、張世爵は七星門より外城に進入した。此時牡丹台を行長の士小西末郷、鎮信の士松浦源次郎の同勢固めて居たが、源次郎は逃れ難くなったので、切腹して果てた。此夜、行長は諸将と会して進退を議したが、既に兵糧庫も焼れて居るし、鳳山からの援軍も来ない上は、一度京城へ退いて再挙するに如くはなしと決して、潜に城を出で大同江の氷を渡って京城へと落ち延びた。