輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ファルスについて

日本文化私観 坂口安吾エッセイ選

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《日本文化私観 坂口安吾エッセイ選(ファルスについて)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 22,974 字 · 47 頁

青空文庫

哀れ、その姿は、ラ・マンチャのドン・キホーテ先生の如く、頭から足の先まで Ridicule に終ってしまうとは言うものの、それはファルスの罪ではなく人間様の罪であろう、と、ファルスは決して責任を持たない。

此処は遠い太古の市、ここに一人の武士がいる。この武人は、恋か何かのイキサツから自分の親父を敵として一戦を交えねばならぬという羽目に陥る。その煩悶を煩悶として悲劇的に表わすのも、その煩悶を諷刺して喜劇的に表わすのも、共にそれは一方的で、人間それ自身の、どうにもならない矛盾を孕んだ全的なものとしては表わし難いものである。ところがファルスは、全的に、之を取り扱おうとするものである。そこでファルスは、いきなり此の、敬愛すべき煩悶の親父と子供を、最も滑稽千万な、最も目も当てられぬ懸命な珍妙さに於て、掴み合いの大立廻りを演じさせてしまうのである。そして彼等の、存在として孕んでいる、凡そ有ゆるどうにもならない矛盾の全てを、爆発的な乱痴気騒ぎ、爆発的な大立廻りに由って、ソックリそのまま昇天させてしまおうと企らむのだ。

之はもう現実の――いや、手に触れられる有形の世界とは何の交渉もないかに見える。