輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

線上閱讀長谷川 時雨《旧聞日本橋(きゅうぶんにほんばし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 158,045 字 · 322 頁

青空文庫

」

泣いていた娘と、青ぶくれな、お玉じゃくしのような顔の母親とは、キョトンとして、天井から釣るさがっている、かき餅のはいった餅網をながめたが、娘は一層狂暴に泣出した。母親は困って小さな私に救いを求める笑を送った。

私は駈けてかえって祖母さんに訴えた。祖母さんはだまって白い台紙に張りつけた、さんご珠まがいの細かい珠のついた網を求めさせてくれた。お桝さんは満足だったが、宅の母の方が、それきり束髪を止めさせられた。私の心の中で、母には似合わないと思っていたから、よしたので安心した。

勝川のおばさんが日本橋区へ進出して来たのはそれから二、三年たってからだった。新道つづきの中一町をへだてた、私の通った小学校のあった町内の入口近かった。一間半ばかりの出窓をもった格子戸づくりの仕舞た家で、流行ものを教えるには都合のよい見附きだった。夏は窓に簾をかけ、洋燈をつけ、若い男女が集まって月琴や八雲琴をならっていた。窓には人だかりがしていた。近くなったので勝川おばさんは涼みながら来ては、蛇三味線を入れるの、明笛も入れるのと話していた。彼女には、漸く昔の賑やかな生活の色彩に、調子はかわっていても、帰ってゆくのが嬉しかったのであろう。