輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(一)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 158,540 字 · 319 頁
なにしろ、それが丁度若い師匠の一周忌というんですから」
半七が想像した通り、若い師匠と若い経師職とのあいだには、こうした悲しい恋物語が潜んでいたのであった。彼の懺悔に偽りのないことは、若い男の眼から意気地なく流れる涙の色を見てもうなずかれた。
「若い師匠が死んでから、おまえさんはもう師匠の家へはちっとも出這入りをしなかったかね」
「へえ」と、弥三郎は口ごもるように云った。
「隠しちゃあいけねえ。大事な場合だ。え、ほんとうに出這入りをしなかったのか」
「それが実におかしいんです」
「どうおかしいんだ。まっすぐに云いねえ」
半七に睨まれて、弥三郎はなにか頻りにもじもじしていたが、とうとう思い切ってこんなことを白状した。若い師匠が死んでひと月ばかり経つと、歌女寿が経師職の店へぶらりと来て、店に仕事をしている弥三郎を表へ呼び出した。娘の三十五日の配り物や何かについて少し相談したいことがあるから、今夜ちょいと家へ来てくれと云うのであった。その晩出てゆくと、配り物の話は付けたりで、師匠は弥三郎にむかって自分の家の婿になってくれないかと突然云い出した。頼りにしていた娘に別れて何分寂しくてならないから、お前さんを見込んで頼む、どうぞ養子になってくれと云った。