輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(一)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 158,540 字 · 319 頁

青空文庫

かならずこの間のところに連れて行かれたことと察したが、そのゆく先はもとより判らなかった。お亀は思案ながらに其の日その日を送っていると、今度も十日目にお蝶はぼんやり帰って来た。ふところにはやはり十両の目録包みを持っていて、すべてがこの間の話をくり返すに過ぎなかった。

「なるほど、好い商法のようだが、こいつはちっと変だね。お蝶坊が忌がるのも無理はねえ」と、この不思議な話を聞いて半七はひたいに小皺をよせた。

「すると、先月の末から娘がまた見えなくなったんでございます。いつもわたくしの留守を狙って来て、否応なしに担いで行ってしまうんだそうで……。外へ出れば乗物が待っていて、眼かくしをして乗せて行くんですから、どこへ連れて行かれるのか見当が付きません」

「そこで今度も無事に帰って来たのかい」

「いいえ。それが帰って来ませんの」と、お亀は顔を陰らせた。「今度はもう十日の余になりますけれども、何のたよりもございませんので、わたくしもいろいろ心配しておりますと、けさ早くに一人の女がわたくしの家へ見えまして……。それはこの間の御殿風の女でございます。仔細あって娘を当分は音信不通の約束でこちらへ貰いたいと、こう云うんです。