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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(三)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 201,612 字 · 405 頁
嚇かされる方はふるえ上がっているから、それが異人か日本人か、碌な首実験が出来るもんですか。ねえ、そうじゃありませんか」
かれも半七の最初の鑑定とおなじ見込みを付けているのであった。しかし今の半七はそれに耳を貸すことは出来なかった。おなじ墓場あらしでも、或いは異国人の死に首を掘り出してくるのではないかという疑いはあったが、近ごろ病死した者がないとすれば、その疑いもすぐに煙りのように消えてしまわなければならなかった。半七は薄く眼をとじてただ黙っていると、三五郎の方から云い出した。
「そこで親分。おまえさんはほんとうに遊びですかえ。ひょっとすると今の一件が江戸の方へも響いて、その様子を見とどけに来たんじゃありませんか」
「はは、さすがに眼が高けえ。実はそれだ」と、半七も正直に云った。
「いや、ありがてえ。おまえさんが来てくれりゃあ千人力だ」と、三五郎は急に威勢が付いたらしかった。
「実はわたしも手古摺っているんだ。親分、後生だからいい智恵を授けておくんなせえ」
「いい智恵と云ってもねえが、見込みをつけて江戸から乗り込んで来た以上、ただ手ぶらでも引き揚げられねえ。