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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(三)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(三)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 201,612 字 · 405 頁

青空文庫

「そうか」と、半七は笑いながら又うなずいた。「それは御苦労、よく働いてくれた。その女は三十ぐらいだと云ったっけな」

「ちょいと見ると、二十七八ぐらいには化かすんだけれど、もう三十か、ひょっとすると一つや二つは面を出しているかも知れません。小股の切れあがった、垢ぬけのした女で、生まれは堅気じゃありませんね」

「判った。わかった。路の悪いのによく知らせに来てくれた。いずれお礼をするよ」

清次に別れて、半七は往来に突っ立って少しかんがえた。清次が乗せた潮干狩の客は、かの怪しい男となにかの関係があるらしい。現にそのひとりの女は颶風の最中に彼と話していたらしいという。かたがたこの潮干狩の一と組を詮索すれば、自然に彼の正体もわかるに相違ない。これは神田川へ行って千八を詮議するよりも、まず小梅へ出張ってその方をよく突き留めるのが近道らしい。こう思案して、半七はまっすぐに小梅へゆくことにした。陰るかと思った空は又うす明るくなって、厩橋の渡しを越えるころには濁った大川の水もひかって来た。

「傘はお荷物かな」

半七はまた舌打ちをしながら、向う河岸へ渡ってゆくと、その頃の小梅の中の郷のあたりは、為永春水の「梅暦」