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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(三)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 201,612 字 · 405 頁
からだも大きくって、なあちゃんと同い年ですけれど二つぐらいも年上にみえます」
「そうか。それじゃあともかくもその倉田屋へ行ってみよう。もう寝たかも知れねえが、まあ其の家だけでも教えてもらおう」
お広に案内させて、半七は引っ返した。その瀬戸物屋は甲州屋の隣り町角から四軒目で、間口は三間か三間半ぐらいもあるらしく、その店がまえは悪そうもなかった。表の大戸はもう卸してあったが、軒の下に細長い床几を置いて、ひとりの若い者と小僧とが涼んでいた。となりの糸屋は店を半分あけていて、その前にもやはり二、三人の男がたたずんで何かしゃべっていた。どこかで籠の虫の声もきこえた。
途中で申し合わせてあるので、お広は近寄って倉田屋の若い者に声をかけた。
「今晩は……。どうもいつまでもお暑いことでございます」
「やあ、今晩は……」と、若い者も挨拶しながら床几を起ちあがった。「ばあやさん。なあちゃんは帰りましたか」
甲州屋からは昼間と宵と二度も聞きあわせの使が来ているので、ここの店の者共もお直が家出のことを知っていた。まだ帰らないというお広の返事をきいて、若い者も気の毒そうに云った。