輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(三)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 201,612 字 · 405 頁
と、お豊は口のなかで答えた。
「そんなら二階へ案内しろ」
彼女を引き摺るようにして、せまい掛け階子をのぼってゆくと、二階の四畳半には誰もいなかった。半七は念のために押入れをあけて見た。古い葛籠をゆすってみた。
「まあ、坐れ」と、かれは再びお豊の腕をつかんで、四畳半のまんなかに引き据えた。「これ、正直に云え。さっきは甲州屋の使と云ったが、御用で調べるのだ。甲州屋のお直はきのうここへ来たか」
草紙を眼のさきに突きつけられて、お豊はもう包み切れなくなった。かれは恐れ入って白状した。甲州屋のお直はここの家へ来たのである。きのうの午頃にお豊が得意場から帰ってくると、途中で倉田屋の娘と甲州屋のむすめが二人連れで来るのに逢った。お直はしきりに泣いているのを、お力がなだめているらしかった。どちらも自分の得意場の娘であるので、お豊は見すごし兼ねて立ち寄って、もしや喧嘩でもしたのではないかと訊くと、お直が師匠さんに叱られたのであると判った。それもほかのことで叱られたとあれば、お豊もいい加減になだめて別れるのであったが、お力から渡されたお紋の手紙を稽古場で取り落して、それを雷師匠に見つけられたのであると聞いて、お豊もすこし驚いた。