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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(三)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(三)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 201,612 字 · 405 頁

青空文庫

は確かめられた。四十以上の田舎者らしい男が南京玉などを持っている筈がないから、おそらく何処かの子供にでもやるつもりで袂のなかに入れて置いたものであろうと半七は鑑定した。

勿論その南京玉をどうして手に入れたのか、買ったのか貰ったのか、ちっとも見当は付かないのであるが、仮りに先ずそれを買ったものとして、半七はその買い先をかんがえた。もともと子供の玩具同様のものであるから、どこで買ったか殆ど雲をつかむような尋ね物であったが、田舎の人は詰まらないものを買うにも、とかく暖簾の古い店をえらむ癖があるのを知っているので、かれは先ず馬喰町の近所で最も名高い小間物屋に眼をつけて、案外に安々とその手がかりを探り出すことが出来たのであった。

「ここまでは巧く運んだが、この先がむずかしい」と、彼は又しばらく考えていた。

「もうわたくしは引き取りましてもよろしゅうございましょうか」と、信濃屋の番頭はおずおず訊いた。

「むむ、御苦労。もう用は済んだ」と、半七は云った。「いや、少し待ってくれ。まだ訊きてえことがある。一体この甚右衛門という男はなんの用で江戸へ来ていたのか、おまえ達はなんにも知らねえか」