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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(三)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 201,612 字 · 405 頁
と、番頭は説明した。
「しかし去年の春頃からすっかり堅くなりまして、商売の方も身を入れますので、この頃はふところ都合もよろしいようで、十一月には品川のお政という女郎をうけ出して、仲よく暮らして居ります」
「いくら品川でも女ひとりを請け出すには纒まった金がいる。多寡が錺職人が半年や一年稼いでも、それだけの金が出来そうもねえ。なにか金主があるな」
「そうでございましょうか」
「金主はきっとこの甚右衛門だ。もう大抵判っている。しかしこのことは滅多に云っちゃあならねえぞ。この南京玉はおれが少し貰って行く」
半七は一と掴みの南京玉を袂に入れて、信濃屋からすぐに隣り町の裏長屋をたずねると、錺職人の豊吉は眉のあとの青い女房と、長火鉢の前で葱鮪の鍋を突っ付きながら酒をのんでいた。
「おい、錺屋の豊というのはお前か」
「そうでございます」と、豊吉はおとなしく答えた。
「少し用がある。そこまで来てくれ」
「どこへ行くんでございます」
豊吉の眼はにわかに光った。
「まあ、なんでもいいから番屋まで来てくれ。すぐに帰してやるから」
「いけませんよ。親分」と、彼は早くも半七の身分を覚ったらしかった。