輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(四)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 217,272 字 · 434 頁
大きい笊に麻縄の網を張ったような鳥籠を天秤棒に担いで、矢口の村から余り遠くない池上、大森、品川のあたりを廻っていたのである。去年の五月ごろ、彼は品川方面へ商売に出て、南番場の海保寺門前を通りかかると、桂庵の家から呼びかけられて、ひと番いの飼い鶏を買ってくれと云われた。八蔵は売るばかりが商売ではない。買って売って其のあいだに利益を見るのであるから、承知して売り値を訊くと、幾らでもいいから持って行ってくれと云う。その売りぬしは三十二三の婀娜っぽい女であった。
ともかくも其の鶏を見せてくれと云うと、女は裏へまわれと云う。そこには空地同様の小さい庭があって、二羽の鶏が籠に伏せてあった。女はもう姿を見せないで、二十五六の男が薪ざっぽうを持って出て来た。彼は八蔵にむかって、この鶏はいっそ打ち殺してしまおうと思うのだが、おかみさんがぐずぐず云うから持って行ってくれと暴々しく云った。いい加減な値をつけて引き取ることにすると、二羽の鶏はしきりに暴れ狂って、八蔵の籠に移されるのを拒むので、男も手伝って無理に押し込んだ。男は薪ざっぽうを放さずに掴んで、絶えず何事をか警戒しているように見えた。