輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(四)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 217,272 字 · 434 頁
所詮は臆病者が風の音か、狐狸か、あるいは鳥の声にでも驚かされて、あらぬ風説を唱えるに相違ない。貴公らのうちで誰かその正体を見とどけて来る者はないか」
一同はやはり顔を見合わせているばかりで、進んでその役目を引き受けるという者もなかった。左内は例の気性で、堪えかねたように呶鳴った。
「さりとは無念な。わしが不断から武芸を指南するのも、こういう時の用心ではないか。よしよし、貴公らが臆病に後込みしているなら、この左内が自身で行く」
彼は帯を締め直して立ち上がった。これに励まされてばらばらと立ち上がったのは、旗本の次男池田喜平次、酒屋のせがれ伊太郎の二人であった。
「先生。わたくし共もお供いたします」
「むむ、誰でも勝手に来い」
左内はあとをも見返らずに、大刀を腰にさして出て行った。こういう場合、留めても留まらないのを知っているので、御新造のお常は黙って見送った。喜平次と伊太郎も袴の紐をむすび直しながら続いて出た。
九月末の暗い夜で、雨気を含んだ低い大空には影の薄い星が三つ四つ、あるか無きかのように光っていた。
二
綱が立って綱が噂の雨夜かな――其角の句である。