輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《樅ノ木は残った(もみノきはのこった)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 112,073 字 · 223 頁
「原田というのは」
「船岡の館主で、原田甲斐宗輔という方です、いつか話しましたわ」
六郎兵衛は頭を振って云った、「それで、またというと、いつもその男のことが話しに出るのか」
「ええ、いつも話しというと、きっと原田さまのことがでるんです、うちの殿さまは、兵部さまよりも原田さまのほうを、ずっと気にかけていらっしゃるようですわ」
「それは初めて聞くぞ」
「あら、そうだったかしら」
「あとをつづけろ」
「兵部さまは、原田はもうこっちのものだ、と仰しゃっていました」
六郎兵衛が訊き返した、「原田甲斐がこっちのものとはどういうことだ」
「うちの殿さまや兵部さまの味方だということでしょう、涌谷さまや松山さまとは、不仲になって往き来もしないし、これまでの奥さまは松山から来た方だったけれど、その方を離別して、こんど津田玄蕃という人の妹をおもらいなすったんですって」
「松山というのは茂庭周防のことだな」と六郎兵衛が訊いた。
ええそうです、とおみやが頷いた。そしてまた、兵部さまのすすめを容れて、原田さまは出府するとすぐ御家老になられた。これだけ条件がそろえば、こっちのものとみてもいいだろう、と兵部さまは仰しゃっていましたわ。