輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《樅ノ木は残った(もみノきはのこった)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 112,073 字 · 223 頁
「それがどうした」
「しかし公儀におかれましては、隠居の願いをおききいれがなく、ついに逼塞という重い御処分を、仰せつけられました、また次に亀千代に家督の願いを申上げましたおりにも、御老中より弱年であるという御異議があったとおぼえております」
「それがどうしたというのだ」
「綱宗逼塞のときも、亀千代家督のときも、六十二万石壊滅かと、全家中は恐れ惑い、なかには仙台の城にたてこもって、斬り死にをしようなどと申す者さえございました」甲斐はそこで雅楽頭を見た、「両度に及ぶ公儀への恐れは、いまなお重役どもの胸に深く刻みつけられております」
「諄い諄い」と雅楽頭が遮った、「そのように済んだことを聞く必要はない、おれがなにを思い違えているか、それだけをはっきり申せばよいのだ」
「公儀への恐れがそれでございます」と甲斐は静かに云った、「公儀への恐れと、なおまっすぐに申せば、厩橋さまへの恐れでございます」
久世大和守が甲斐を見た。兵部は雅楽頭を見た。雅楽頭は「なに」と云った。
「おれを恐れていると」雅楽頭は滝尾から手を放し、まるで嘲弄するかのように繰り返した、「伊達家の重臣どもが、このおれを恐れているというのか」