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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
線上閱讀下村 湖人《次郎物語(じろうものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 146,773 字 · 294 頁
「二人で夜ふかしをしたんだろう。駄目だなあ、そんなことをしちゃあ。」
二人は默って顔をふせた。
「ゆうべ、何時に寝たんだい。」
「九時少しまえです。」
次郎がすぐ顔をあげて答えた。
「九時まえ? そうか。じゃあ、みんなよりも早く寝たわけなんだね。……ふうむ。……」
先生はけげんそうな顔をして、またしばらく二人の顔を見くらべていたが、間もなく外套のかくしから、黒い紐のついた大きなニッケルの時計を出して、時刻を見た。そして、
「みんな便所はすましたかね、大便は?……じゃ行くぞ。」
みんなは元気よく門を出た。次郎もそのなかにまじったが、妙にしょんぼりしていた。恭一は、一番あとから、権田原先生とならんで歩いた。
「ほんとうに九時まえに寝たんかね。」
権田原先生がたずねた。
「ええ。寝るには寝たんです。」
「すると、寝てから何かあったんだね。」
「ええ、……二人で話しこんじゃったんです。」
「話しこんだ?……ふうむ、……そんなに晩くまで。」
「ええ、少し晩くなり過ぎたんです。」
「何をそんなに話したんだい。」
恭一は首をたれて、返事をしなかった。
権田原先生も、それ以上強いてたずねようとはしなかった。