輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
えどげいじゅつろん
江戸芸術論
永井 荷風
線上閱讀永井 荷風《江戸芸術論(えどげいじゅつろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 85,130 字 · 167 頁
浮世絵は社会の需用あまりに多くして遂に粗雑なる商品たるのやむなきに至りしなり。五渡亭国貞一勇斎国芳以下の豊国門人、また菊川英山、渓斎英泉、鳥居清峰らは不幸なるこの時代を代表すべき画工なり。(広重北斎の事は余既に「浮世絵の山水画と江戸名所」と題せし論文に言ひたればここに論ぜず。)
今これら諸家の制作を見るに、美術としての価値元より春信清長栄之らに比する事能はざれど、画中男女が衣服の流行、家屋庭園の体裁吾人今日の生活に近きものあるを以て、時として余は直に自己現在の周囲と比較し、かへつて別段の興あるを覚ゆ。国貞国芳らの描ける婦女は春信の女の如く眠気ならず、歌麿の女の如く大形の髷に大形の櫛をささず。その深川と吉原なるとを問わず、あるひは町風と屋敷風とを論ぜず、天保以後の浮世絵美人は島田崩しに小紋の二枚重を着たるあり、じれつた結びに半纏を引かけたるあり、絞の浴衣を着たるあり、これらの風俗今なほ伝はりて東京妓女の姿に残りたるもの尠しとせず。その家屋も格子戸子窓忍返し竹の濡縁船板の塀なぞ、数寄を極めしその小庭と共にまた然り。これ美術の価値以外江戸末期の浮世絵も余に取りては容易に捨つること能はざる所以なり。