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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《海上の道(かいじょうのみち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 182,344 字 · 353 頁
この問題に答えるのはそう困難でない。雄略天皇紀の二十二年に、浦島子の記事が出ているのは一つの不審だが、ともかくも是が最古の文献であって、ここには蓬莱山という漢字を使い、その古訓はトコヨノクニであった。『釈日本紀』の述義に引用した三つの書、『丹後国風土記』には蓬山とあり、また海中博大之島とあり、『本朝神仙伝』には蓬莱とあり、ただ『天書』の第八というものに、海竜宮とあるばかりであった。蓬莱が竜宮以上の外来語なることは疑いを容れぬが、古訓のトコヨノクニにも文化の香があって、なお最初からの民間の通語とは考えられぬのである。ところが『万葉集』巻九の有名な長歌を見ると、是にも反歌に「とこ世べに住むべきものを云々」の一首があり、また是と前後して生まれたかと思う風土記の物語の中にも「子らに恋ひ朝戸を開き我が居ればとこ世の浜の浪の音きこゆ」という、あの感動すべき歌が残っている。少なくとも当時の教養ある士女の間に、説話がこういう名をもって伝承せられていたことは確かである。そうかと思うと他の一方に、万葉長歌の叙述として「わたつみの神の宮」または「わたつみの神のをとめ」