輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
こぞうのゆめ
潤一郎ラビリンスV――少年の王国
谷崎 潤一郎
線上閱讀谷崎 潤一郎《潤一郎ラビリンスV――少年の王国(こぞうのゆめ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 71,989 字 · 144 頁
けれども又、「女人は大魔王なり、能く一切の人を食う。」と、涅槃経に説かれた言葉に従えば、虎や獅子より更に巨大な怪獣のようでもあった。「一とたび女人を見れば、能く眼の功徳を失う。縦い大蛇を見るといえども、女人をば見るべからず。」と、宝積経に書いてあるのが本当であるとしたら、山奥に棲む蟒のように、あの体から毒気を噴き出す爬虫類でもあるらしかった。千手丸と瑠璃光丸とは、さま/″\の経文の中から、女人に関する新しい記事を捜して来ては、それを互に披露しあって、意見を闘わすのであった。
「そなたも麿も、その恐ろしい女人を母に持って、一度は膝に掻き抱かれた事もあるのに、こうして今日まで恙なく育って来た。それを思うと、女人は猛獣や大蛇のように、人を喰い殺したり毒気を吐いたりする物ではないだろう。」
「女人は地獄の使なりと、唯識論に書いてあるから、猛獣や大蛇よりも、もっとすさまじい形相を備えて居るのだろう。われ/\が女人に殺されなかったのは、よほど運が好かったのだ。」
「だが、」
と、千手丸は相手の言葉を遮って云った。
「そなたは唯識論の、其の先の方にある文句を知っているか。