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まきのとみたろうじじょでん
牧野富太郎自叙伝
牧野 富太郎
線上閱讀牧野 富太郎《牧野富太郎自叙伝(まきのとみたろうじじょでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 94,045 字 · 185 頁
この医者の家に小野蘭山の『本草綱目啓蒙』の写本が数冊あって色々の植物が載っていた。私はそれを借りて写したが、余り手数がかかるし、欠本もあるかもしれんのでこの本が買いたくなった。それで洋品屋に頼んで大阪なり、東京なりから取寄せて貰うことにした。間もなくこの本がきたが、それについて、今でも想い出すことがある。
その時分私はよく友人と裏山に行って遊んでいたが、ある時、山で遊んでいると、私の親友だった堀見克礼という男が駈けつけて「重訂啓蒙という本がきたぞ」と知らせてくれた。私は慌てて山を駈下り頼んだ人の店へ駈けつけた。それが小野蘭山の『重訂本草綱目啓蒙』であった。
それ以来、私は明暮この本をひっくり返して見ては色々の植物の名を憶えた。当時は実際の知識はあるが、名を知らなかったので、この本について多くの植物の名を知ることができた。
産土神社の山は頂上を長宗寺越えというが、その山を越えて下る坂道で、ちょうど秋の頃だったが、「もみじばからすうり」を採りたくて行った時、丈の高い菊科のもので白い花を付けている植物があった。名は無論知らなかった。その後『本草綱目啓蒙』