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くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

線上閱讀梅崎 春生《狂い凧(くるいだこ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 111,430 字 · 226 頁

青空文庫

オンドルの上にアンペラを敷き、その上で毛布にくるまって眠るのである。ほかほかとして、あたたかい。そんな好待遇が二日続いた。食事も古兵が運び、あと片づけもやって呉れる。三日目もそのつもりでいたら、いきなり早朝中庭に並ばされ、

「貴様ら、いつまでお客さん気取りでいやがるんだ。生意気な!」

と、総員ビンタが始まった。ちょっと安心をさせて置いて、ぎゅっとしぼり上げる軍隊特有のやり口である。誰が発明したのか知らないが、これはかなり心理的な効果があった。

こうして初年兵教育が始まった。内地の教育と違って、左雲のそれは寒さと砂に対する闘いであった。

「城介は体格はよかった方かね?」

「そうだね。弱かったね」

加納はにやりと笑って、はっきりと答えた。

「わたしも城介君も、町育ちでしょう。米俵を平気でかついで走る農民出や、炭坑で働いていた連中にくらべると、やはり骨や筋肉がひよわだった。苦労しましたよ」

「寒さにかい?」

「いや。寒いのは、誰も寒い。炭坑夫だって寒いです。自分が思うには、冬に召集をかけたのは、寒さのぎりぎりのところを味わせてやろうとの、まあ耐寒訓練の目的もあったんでしょうな。