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くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

線上閱讀梅崎 春生《狂い凧(くるいだこ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 111,430 字 · 226 頁

青空文庫

幸太郎は子種に恵まれなかった。それがそんな申し入れになったのである。これはしきたりから言えば、不自然なことではなかった。血のつながりのない他人よりも、甥を子供に迎えたいというのは当然なことである。しかし栄介の父母はそれに対して、若干のこだわりを感じたらしい。子供の学資にかこつけて、間接的にわが家の家計をたすけようと言うのではないか。福次郎は割にそんなことには潔癖であり、また頑固なところがあった。財産をひとり占めにして、今さら何を、という気分もあったのだろう。それに、学資を二人に出すというのなら筋が通るが、良い方にだけ学資を投資して、養子として持って行こうとは、少し虫が良過ぎるのではないか。残った成績の悪い方の子は、一体どうなるのか。

しかし、家計が裕福でないことが、結局福次郎夫婦を屈服させた。三流の専門学校を出て役所入りをした福次郎は、出身校がどんなに出世に作用するものであるか、身にしみて知らされていた。子供を大学までやらせたい。その願いは現在の父母より、昔の父母の方がずっと強かった筈だ。大学を卒業することは、そのまま出世を約束されたようなものであった。