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げんだいてつがくこうわ

現代哲学講話

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《現代哲学講話(げんだいてつがくこうわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 268,337 字 · 522 頁

青空文庫

処が人々は、所謂「科学的批評」――それが恰も科学と文芸との交叉点に当ることを注意せよ――という概念が、どれ程多くの困難と問題とを含んでいたかを、すでに重ね重ね経験しただろう。主に左翼文芸理論家達の努力によって、所謂「科学的批評」の概念は一応解決ずみであるかのように見えるが、併しまだ、この解決の原理的な展望が、この問題の持っている統一的な一般性が、充分に取り出されてはいない。――蓋し之は単に文芸上の一問題なのではなくて、もっと普遍的な問題――例えば科学論的にもぞくする処の――なのである。それは今迄吾々が使って来たイデオロギー論のメカニズムによって初めて統一的に解明されるに相応わしい事柄なのである。

本当の科学的批評が何であるにせよ、所謂「科学的批評」の問題は、人も知るように、文芸の政治的価値と芸術的価値との対立の問題と結び付いて現われた。もしこの二つの価値尺度を二元的に隔離して了えば、科学的批評は不可能となるし、之に反して二つのものが何か真の統一に齎され得るなら科学的批評は可能であり又必要にもなる、というわけであった。――処で吾々の眼目はさし当り、この対立が恰も、今迄吾々が見て来たかの二系列の対立、ジャーナリズム=批評性=批評乃至鑑賞とアカデミズム=実証性=制作との対立、そういうイデオロギー論的な契機の対立