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げんだいてつがくこうわ

現代哲学講話

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《現代哲学講話(げんだいてつがくこうわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 268,337 字 · 522 頁

青空文庫

に適用される、と考えられる。

処が新物理学の成果によれば、物質の存在は、単に吾々が個々の孤立した物体の各瞬間毎の存在に就いて知らない間だけ確率的なのではなくて、永久に常に確率の範囲を抜け出せないのである。何故なら、吾々の認識の客観的手段自身から云って、不確定性の原理によれば、物質の存在は確率的である外はないのであるが、この手段は又客観的な物理学的世界に於ける一事実に外ならないからである。確率は主観の無知から結果するのではなくて、客観の具体的関係そのものに属する性質だと云うのである。存在が集団現象と考えられるということも、吾々が個々の現象を知ることが出来ないからではなくて、そういう個々の現象なるものは実は――特定の抽象を条件とする場合は別として――充分な具体性に於ては、無いのだということに外ならない。

そして確率のこの客観性は、今日の確率論の基礎的理論の方向と能く一致している。元来確率論を多少とも理論的・哲学的に反省した最初の人はラプラスであったが、彼によれば確率とは知と無知との中間に発生するものであった。神ならぬ人間が、個々の事物の一々の場合を尽く事実上知り悉し得ない時、未知のものは大体同等であり得るものだと想像するのが一等公平であろう*。