輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

がらすどのうち

硝子戸の中

夏目 漱石

線上閱讀夏目 漱石《硝子戸の中(がらすどのうち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 52,702 字 · 105 頁

青空文庫

私はまたあの鶏の図がすこぶる気に入らなかったので、ここでも芝居と同じような議論が二人の間に起った。

「いったい君に画を論ずる資格はないはずだ」と私はついに彼を罵倒した。するとこの一言が本になって、彼は芸術一元論を主張し出した。彼の主意をかいつまんで云うと、すべての芸術は同じ源から湧いて出るのだから、その内の一つさえうんと腹に入れておけば、他は自ずから解し得られる理窟だというのである。座にいる人のうちで、彼に同意するものも少なくなかった。

「じゃ小説を作れば、自然柔道も旨くなるかい」と私が笑談半分に云った。

「柔道は芸術じゃありませんよ」と相手も笑いながら答えた。

芸術は平等観から出立するのではない。よしそこから出立するにしても、差別観に入って始めて、花が咲くのだから、それを本来の昔へ返せば、絵も彫刻も文章も、すっかり無に帰してしまう。そこに何で共通のものがあろう。たとい有ったにしたところで、実際の役には立たない。彼我共通の具体的のものなどの発見もできるはずがない。

こういうのがその時の私の論旨であった。そうしてその論旨はけっして充分なものではなかった。